新NISAで損しないためには？「つみたて投資枠」を上手に運用するコツを解説

NISAの改定が話題になっています。2024年から始まる新NISAでは「つみたて投資枠」や「成長投資枠」といったキーワードが出てきますが、これらはどんな意味なのでしょうか。

この記事では、2つの投資枠の特徴、損しないための注意点を解説します。

新NISAは現行NISAより資産形成に有利

NISAとは資産運用が非課税でできる制度です。一般NISAは2014年から、つみたてNISAは2018年から始まりました。

これらの制度は2024年1月から一本化され新NISAとなります。現行のNISAと比べて大幅な見直しが行われる予定です。

新NISA改定のポイントは5つあります。

• 現行NISAが一本化
• 年間投資枠は360万円に拡大（つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円）
• 生涯非課税限度額は1,800万円にアップ
• 生涯非課税限度額は再利用可能
• 非課税期間が恒久化

つみたてNISAと一般NISAが一本化

新NISAでは一本化されるため、つみたて投資枠（投資信託）と成長投資枠（投資信託、株式など）のどちらへも投資可能になります。

なお、現行NISAでは一般NISAとつみたてNISAに分かれていて、どちらか1つしか使えませんでした。

年間投資枠は2つの投資枠合計で360万円に拡大

年間投資枠は360万円に拡大し、内訳はつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。現行のつみたてNISAの40万円はつみたて投資枠になり80万円の増額、現行の一般NISAの120万円は成長投資枠になり120万円の増額となります。

生涯非課税限度額は1,800万円にアップ

生涯非課税限度額は1,800万円に拡大します。現行のつみたてNISAでは800万円ですが、新NISAでは1,000万円の増額となります。

生涯非課税限度額は再利用可能

1,800万円の生涯非課税限度額は、売却すると枠の簿価（取得した金額）が減少し、再利用可能です。ただし、年間投資枠は増えません。

非課税期間が恒久化

非課税期間が恒久的になるので、現行NISAと異なり非課税期間の縛りはなくなります。非課税の対象となる取引であれば、いつでも始められます。

新NISAでは大幅な制度の見直しが行われるため、これまでのNISAよりも投資しやすい環境になります。なお、施行は2024年1月ですが、現行のつみたてNISAは2023年12月まで投資可能となっています（保有可能期間は20年間で、2042年まで）。

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新NISA「つみたて投資枠」の年間投資枠は120万円に！

つみたてNISAを引き継ぐ形となる「つみたて投資枠」ですが、特徴は以下の3つとなります。

• 年間投資枠は120万円
• 一生涯で最大1,800万円
• 売却すれば再利用可能

つみたて投資枠の年間投資枠は120万円

つみたて投資枠の年間限度額は現行の3倍である120万円に拡大します。現行のつみたてNISAでは毎月33,333円ほどの運用で年間40万円の投資枠いっぱいに近づきますが、つみたて投資枠では毎月10万円まで積み立てられます。

つみたて投資枠は生涯で最大1,800万円

新NISAでは、1,800万円の生涯非課税限度額が新たに設定されます。1,200万円までは成長投資枠への投資が可能です。1,800万円全額をつみたて投資枠として運用することも、1,800万円の一部を成長投資枠に使うこともできます。

こうしたNISAの一本化により、つみたて投資枠と成長投資枠のどちらも活用できるのが新しいポイントです。

売却すれば再利用可能

新NISAでは、現行NISAにはなかった「枠の再利用」が可能です。

1,800万円の生涯非課税限度額は、売却した分の簿価（取得した金額）で枠が復活することから、お金が急に必要になったときなどには一旦出金して、後から枠を再利用することもできます。

新NISAのつみたて投資枠は、現行のNISAと比べて大幅に増額されること、売却しても枠を再利用できることから、老後に備えての資産運用がしやすくなると言えます。