一度見はじめると続きが気になって見続けてしまう性質がテレビにはある気がする。そこで流れている番組内容の面白さはともかくとして。見はじめるから見続ける。見ることが見ることを誘発する。スポーツ中継、なかでも野球の中継は特にそう感じる。

 だからだろうか、テレビの野球中継が減少していくなかで、もともと薄かった野球それ自体に関する興味や知識が私のなかでさらに薄くなっている。録画や配信でテレビを見る機会が増え、流れている番組にたまたまチャンネルを合わせる機会が減っていることも大きいかもしれない。

 8日から、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕している。世界一を決める野球の大会。が、以上のような感じだから、積極的にチャンネルを合わせているわけではない。新聞やネットニュースの見出しや、Twitterのタイムラインに流れてくるツイートを見るぐらい。風に乗ってうっすら聞こえてくる隣町の盆踊り大会の音みたいな、そんな距離感でWBCに接している。最近は、うっすら聞こえる音頭の歌詞に「ヌートバー」と入っている。

 いや、実際に見たら「面白いな」と思ったりするのだろう。が、いまのところ、試合よりもバラエティのWBC企画を見る機会のほうが多い。特番では2月19日の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)とか。ただ、それらは主にWBCに関心がある人、少なくとも関心をもつことに前向きな人に向けたものだ。もちろんそれは正しい。関心をもつことに前向きですらない人に合わせても仕方ない。