◆動物について調べるのは、小さいころの未練があるのかも
――ジョウロのエピソードが、現実の厳しさをダイレクトに伝えます。
園田「ジョウロの話は、結構よくあることみたいですね。今は蓋のパーツが外れるジョウロが多くて、そこだけネックレスみたいにひっかかったままになる子もいます」
――ちなみに、園田さんは以前住んでいたところでも野良猫たちの様子をよく見ていたようですが、いろんなことを観察したり、調べたりといったことが、昔から好きなんでしょうか。
園田「そうですね。オタクです。それと好きに加えて、小さい頃の未練みたいなものも手伝っているのかもしれません。自分の世代って動物愛護の意識がまだ薄かったんです。気持ちはあっても、親世代も学校の先生も、正しい飼育の方法を分かっていなかった。インターネットもそんなに普及していないので、簡単に調べられもしないし。なので、『ちゃんとした飼い方をしていたら、もっと長生きさせられたかもしれないのに』とか、『もっとこうしたかった』といった気持ちがどこかにあるのかなと」