◆夫婦交換で夫への信頼感をなくした人も

「私はその気になれなくて迷っていました。でも夫は熱く口説くように説得してくるし、家事もやたら積極的にやるようになった。高校生の息子が部活の合宿でいないとき、『頼む』と土下座せんばかりの夫を見て、わかったと言うしかなかった。

だけど私は見ているだけだからねとも念押ししたんです。夫はパーティで自らさっさと女性を口説きに行きました。その女性の夫が『お宅の奥さんは?』と言ったら、夫が『そこらへんにいるから、どうぞ』って。その男性が怒り出して、『あなたはルールがわかってない。奥さんを置き去りにして自分だけ女性を口説くのは違う』と。

主宰者から注意されていたのに、夫はルール違反を犯した。結局、自分が他の女性としたいだけなんだ、と私はすーっと冷めてしまいました」

久々に刺激を得て弾けてしまったのかもしれないが、夫婦交換の場では、やはりまずは夫婦単位で動くこと、誘われたときはまず妻の気持ちを聞くことなどが鉄則である。

◆「おまえはつまらない女だ」と言い始めた夫に妻は

それ以降は、夫に何と言われても行く気を失った。行きたいなら風俗にでも行ってと突き放すと、夫は機嫌を損ねたようだ。

「男ひとりでも参加できる乱交系のパーティに参加するようになったみたいですね。そういうところに行ってきては、『おまえはつまらない女だ』と言い始めた。うちは共働きですから、私もいつでも離婚してやるよという気持ちだった。息子が来年、大学に受かったら離婚します」

離婚
あのままマンネリ夫婦でいてもよかったかもしれないとミサキさんは言う。そうすれば夫にここまでがっかりさせられることもなかったし、険悪な雰囲気のまま同居する状態を維持しなくてもよかった。そんな思いもある。

「行くならお互いの気持ちがきちんと一致していることが重要だと思いますね。私のような悲しい経験をする人がいないように」

ミサキさんは、少しせつなそうに言った。