タモリ倶楽部は1982年にスタートし、放送期間は実に41年。当日の放送はJR東海の全面協力だったが、同社の“変節”に関係者は驚きを隠さない。

「ドクターイエローは、JR東海の収益の大半を稼ぐ新幹線を支える最高機密。運行スケジュールは公にされず、停車中も窓の日除けは降ろされたままで、詳細はベールに包まれていますが、近年、ドクターイエローの存在が世間に広く知られるようになり、情報が小出しされるようになってきました。その背景に、同社が社運をかけるリニア工事の停滞があるのは間違いありません。

 JR東海はもともとメディアに対して無愛想で、キツイ言い方をすれば高飛車。国鉄は1987年に分割民営化して6つの会社になりましたが、超ドル箱の東海道新幹線を持つJR東海は、“我々がJRの中心である”という意識が強く、プライドの高さは相当なものです。なんせ社名は『東海』なのに、英語では『Central Japan Railway』を名乗るほどですから。リニアの建設費はどんどん膨らみ、総額10兆円に達するとの予測もありますが、JR東海は自前で作ることに拘っています。

 ところが、静岡県の川勝知事が県内の工事にストップを掛け、2027年の開業は絶望的な状況になりました。このまま超ビッグプロジェクトの進捗が遅れれば、会社が傾きかねません。そこで、“早くリニアを”という機運を盛り上げるべく、メディアへの愛想が良くなっているのが現状です」(ビジネス誌記者)