出版翻訳家デビューサポート企画レポートをお届けします。今回登場するのは、アーティストの評伝を選んだIさんです。

H社にアプローチしていたIさん。企画書をお渡ししてから1か月ほど経ってもお返事がなかったので、メールを送ってみました。すぐにお返事をいただけましたが、残念ながらご縁はありませんでした。アーティストの魅力や、その人生の面白さを認めていただけたものの、H社では難しいとのこと。美術系の書籍に強い出版社のほうがいいのでは、というアドバイスでした。

そのアドバイスも念頭に置きつつ、Iさんは次の持ち込み先をいくつか検討します。その中で、候補に挙がったのがI社でした。同社の営業担当者さんの文章を読む機会があり、「こんな素敵な方に営業していただけたら……!」と思ったからです。

そこで、I社のお問い合わせ窓口から編集者さんにアプローチするつもりでいましたが、私はそれよりも、その営業担当者さんに直接アプローチすることを提案しました。Iさんが心を動かされたのは営業担当者さんなので、そのことを直接ご本人にお伝えし、ご本人から編集者さんにつないでいただくほうがいいと思ったのです。Iさんのお気持ちをていねいにお伝えすれば、きちんと検討していただけるのではないかと考えました。

さらに、アプローチする際にはお問い合わせ窓口からではなく、プレゼントのようにして郵送することをおすすめしました。私自身も、思い入れのある方にはじめてコンタクトする際にはこの方法をとります。郵送のほうがていねいですし、手軽な手段でコンタクトをする方が多い中、まずそこで目を留めていただけるからです。とはいえ多くの郵便物を受け取る方だとその中で埋もれてしまいかねませんので、プレゼントのようにデコレーションすることで、興味を持って開封していただけるようにします。