ちひろさんに出逢ったのはいつだっただろう。 おそらく下北沢ビレバンの本の沼にどっぷりハマった上京3年目の頃。黄色いポップに導かれ、なんとなく手に取った安田弘之さんの「ちひろさん」(秋田書店)だったが、彼女の魅力に取り憑かれ、私は夢中になって読んだ。
読んだ、という感覚ではなく、1人の人間に出逢えた感覚だった。ページをめくると、物語が進んでいくというよりも、ちひろさんが自分に語りかけてくる。
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