◆これまでにないほどのヒリヒリ、ピリピリ感

 そもそも、このシーンの緊張感が凄まじかった背景として、鷹野(小澤征悦)の存在が大きい。鷹野は副幹事長を務めており、鶴巻派に属しているため鶴巻の直属の部下と言っていい立ち位置。どっちつかずの動きを見せ、眞人(杉野遥亮)も「信用していいんですかね、鷹野先生のこと」「二世議員のボンボンでしょ?なんか信用できない気がするんですよね」と口にするほど。実際、鷲津を潰すための情報収集を鶴巻から命じられた際には、鷲津の近況を話すことも多く、どちらの味方なのかわからない存在でい続けた。

 しかし、8話中盤に鷹野は鶴巻が喜びそうな鷲津を潰すための情報を、鷲津本人から提供してもらっていたことが発覚。その際、「なんか疑っちゃって……」と気まずそうに口にする眞人に「ボンボンはボンボンなりにいろいろ考えてんだよ」と優しくするフォローする鷹野の姿に、安心感を覚えた人も多いだろう。また、鷲津の一人息子である泰生(白鳥晴都)に重傷を負わせた文哉(味方良介)と、その事件の隠ぺいに関与した鴨井(片平なぎさ)の関係も修復に向かい、良い方向に物語が進み出す。

◆鷹野(小澤征悦)にホッコリしたと思いきや

 ホッコリする展開が続き、鷲津も鶴巻に痛手を負わせる情報を手に入れたことで、知らず知らずのうちに「鶴巻を倒せるだろう」と勝手に信じ込んでいた。心の隙が生まれたからこそだからこそ、鷲津が鶴巻と対峙するシーンの緊張感に圧倒され、心が奪われる下準備はできていたのかもしれない。