◆藤波をキングとする大奥ハーレム
さてさて、そろそろ気になってくるのが、男性ばかりの大奥で繰り広げられる夜の物語である。大奥内、どこを探しても男だらけということは、夜のお伴の対象は自然と男性になる。将軍に会うことすら出来ない御目見え以下の若衆なら、なおさらのこと。足の毛を剃れと言われたからかいはほんの序の口だった。
城内が寝静まった頃、先輩若衆たちがいそいそ起きてきて祐之進の元に忍び足で潜り込もうとする。初日から同性に初夜を奪われるとは想像もしていなかった祐之進は今度こそ刀を抜こうとするが、これもまた間一髪。とにかく大奥内には男色が当たり前のように繰り広げられているらしいことはわかった。
で、先輩たちの夜のいたずらなんてのも序の口だった。大奥のトップに君臨する総取締の藤波(片岡愛之助)は、筋金入りの男色家だ。廊下で床拭きする祐之進に目を付けていやらしい視線を注ぐ。
終始むっつりスケベな表情を浮かべて、大奥内の美男子たちを品定めして、気に入った者は手込めにする。彼の側近である柏木(井上祐貴)はしたたかにこびて藤波の寝床で毎日夜を伴にしている。そうした男色絵図は、まるで藤波をキングとする大奥ハーレムのようだ。