法の在り方、法の在るべき姿を模索し続ける葛藤の物語

 法というものは時に人を助けるが、時に人を突き放すものでもある。万能でありながら不安定でもある。そんな極端なものが混在する、おかしなものだ。

 何が正義で、何が正しいのか。そもそも正しいとは誰が決めることなのか。多くを助けるための小さな犠牲は仕方ないのか……。ドラマ版同様に法に近しい立場から、法の在り方、在るべき姿を模索し、葛藤し続ける様子が描かれる。

 黒木華演じる坂間千鶴と竹野内豊演じる入間みちおが、真逆の存在でもあることから、法の不安定さをそれぞれが体現しているようにも感じられるのだ。

 ドラマ版でも、現実にあり得る社会問題を巧みに取り込んできた『イチケイのカラス』が今回扱うのは、工業地帯が抱える深刻な問題だ。