どうやら、友だち同士でする結婚というわけではないらしい。今まで、「友情結婚」というものを知らなかったが、気づいていないだけで身近にも意外といるかもしれない。

 ただ、現代は必ずしも結婚しなきゃいけない世の中ではない。「世間体を気にしてまで結婚しなくていいのでは?」とも思ったが、人にはそれぞれ事情がある。

「『両親を安心させたい』と考えると結婚したいと思ったし、自分の子どもを育てたいというのもあったので。そのためには結婚をして、パートナーがいたほうが子どもを育てやすいかなと思って」(ハルさん)

 同性愛者が「セクシャリティーを隠したい」という理由で、異性と結婚する話はたまに聞く。一方、「親を安心させたい」「自分の子どもを育てたい」は、ごく普通の男女が結婚する理由とほぼ一緒である。

 問題は、ハルさんの場合は「異性と性行為をしたくない」という大前提が存在することだ。でも、結婚はしたいし子どもも育てたい。ここに、ハードルとジレンマが存在する。