「今日は友情結婚ってことで来てもらったんだけど、友情結婚だから難しいのか、結婚が難しいのかは、聞けば聞くほどわかんなくなってきた」(YOU)
いや、根っこに恋愛がある結婚より、やはり友情結婚のほうが難しい気がする。恋愛感情というガソリンがなく、結婚生活で起こる問題を理性で乗り越えなければならない。そのためには、ガチガチの政略結婚にする必要があると感じた。
あと、「友情結婚」のシステム自体はまったく新しいものではないのもわかった。かつて、主流だったお見合い結婚に近い印象だ。夫と妻の両者が我慢を強いられるこの結婚の形は、革新的でもなんでもない。
いろいろなしがらみから脱するための友情結婚なのに、また別のしがらみが生まれてしまうのもしんどい。ならば、1人で死んでいくしかない? という結論がよぎるのもしんどかった。今回は、「結婚とはなんぞや」という回だったと思う。
最後に、YOUがハルさんに言葉をかけた。
「これはちょっと、あなたは“定期検診”ですね」(YOU)
番組への継続出演をYOUから望まれたハルさん。でも、数年後に出演するとき、彼はもう奥さんと別れている気がする。恋愛感情でなくとも精神的に相手を求めていなければ、その夫婦関係にはいつか無理がくる。どんな形の結婚であれ、夫婦である以上は信頼関係が大事だ。
結局のところ、今回は友情結婚ではなく契約結婚の話だった。夫婦間に愛も友情もないし、そこにあったのは「打算」の2文字だった。だから、ハルさんは夫婦揃って出演できなかった。彼は、奥さんの目の前で言えないことが多すぎる。逆に、ハルさんの奥さん単独の話も聞いてみたいと思った。
友情結婚にはいろいろなケースがあるらしい。ほかの夫婦の話も掘り下げてほしいと期待している。友だち同士の関係性から結婚に至ったご夫婦、きちんと割り切って関係性が成立しているご夫婦、アセクシャル同士のご夫婦……などである。