現行の制度に則ると、ハルさんは本当に好きな人と結婚することができない。現状について彼はどう思っているのだろう?
「本当だったら自分のセクシャリティーをオープンにでき、本当に好きな人と結婚できたらいいなって思うんですけど、ただ、今の現状だったら、たとえ制度として同性婚が認められたとしても、周りからはまだ好奇の目で見られることが多いと思うんですね。だから、今の社会の現状で僕が友情結婚を選択したのは、自分にとってはベストの選択だったのかなと思います」(ハルさん)
制度だけができても、周りの認識が追いついていなかったら結局は同じということ。あと、独身が大手を振って歩いていける世の中になれば、しなくてもいい結婚をする必要もなくなると思う。つまり、男女が結ばれる結婚じゃないと保証されないものが、現代もまだ確実にあるということだ。こうなると、なんのための結婚かがわからなくなってくる。
「もし自分に子どもができたとき、そして、もしその子どもがセクシャルマイノリティであったとき。その子が好きな人と結婚しやすいような社会になってたらいいなと思います」(ハルさん)
自分が望んでも手に入れられなかったものも、次世代の頃には叶えられたらいい……と、願うハルさん。果たして、それは数十年のうちに変わるものなのだろうか? ハルさん世代が確かめられるうちに変わるのか? どうにも心許ないのが悲しい。
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