第7話はムロツヨシ演じる伴の“襲来”が序盤と後半に挟まれ、他のシーンとの落差がすごかった。二度目の伴の大暴れの後も、一星と深夜は鈴をキャンプに連れて行き、ダンスをしたり、花火をしたりと穏やかに過ごす。一度目の登場時も、その後に一星とのラブラブ展開が用意されていたが、この緩急ありすぎる展開に「あんな騒動の後に、感情が追いつかない」といった声が上がったほか、「シーンのつながりが変じゃない?」「もう楽しいシーンになるの?」と視聴者からは疑問の声も。

 第7話は、深夜が北斗家のゴキブリ退治に呼ばれたり、特殊清掃の現場に「イェイイェイウォウウォウ」ことチャーリー(駒木根葵汰)が現れたり、麻里奈の自宅に乗り込む“余計なお世話”のシーンなど、コミカルな展開も挟まれた。二度目の伴の大暴れの際も、看護師長の犬山鶴子(猫背椿)が「ピンクエンペラーの底力、見せたるでコラ!」と見栄を切ったり、至信がクリップボードを盾のようにして伴に突っ込んだりと、妙にコミカルな描写があった。そのままではホラードラマとなりそうなほどの伴の狂気を和らげる効果を狙ったのかもしれないが、クセの強い緩急の付け方に当惑した視聴者は少なくなかったようだ。どう考えても通報案件であり、自分だけでなく、病院の関係者や患者にまで迷惑をかけているというのに、「この人と私の問題」と言ってしまう鈴に苛立ちを感じるという声もチラホラ見かけた。“警察沙汰”の大騒動に対して解決しようという姿勢が見られず、なのにコミカルな展開が挟まれるので、余計に視聴者は困惑したのかもしれない。

 鈴に通報する気はないということは、法的な方法で伴とのトラブルを対処する展開にはならなさそうだ。キャンプ中、号泣しだした鈴。一星に肩を預けながら「なんでだろう。あの人もここにいたらよかったのかなと、ふと思った」と、伴の心情に想いを馳せていたが、あれだけの恨みをつのらせた伴を改心させることはできるのだろうか。主演の吉高由里子のSNSでの発信により、本作は全9話完結であることが明かされている。残り2話で、伴の問題はどのように解決されるのか。今夜放送の第8話の予告では、鈴と一星の甘いシーンだけでなく、一星が泣き、千明と伴が対峙する場面も流れ、緊張感が高まる。不穏な展開が予想されるが、見逃せない。

■番組情報
火曜ドラマ『星降る夜に
テレビ朝日系毎週火曜21時~
出演:吉高由里子、北村匠海、千葉雄大、猫背椿、長井短、中村里帆、吉柳咲良、駒木根葵汰、若林拓也、宮澤美保、ドロンズ石本、五十嵐由美子、寺澤英弥、光石研、水野美紀、ディーン・フジオカ ほか
脚本:大石静
音楽:得田真裕
主題歌:由薫「星月夜」(ユニバーサル ミュージック)
ゼネラルプロデューサー:服部宣之(テレビ朝日)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、本郷達也(MMJ)
監督:深川栄洋、山本大輔
制作:テレビ朝日 MMJ
公式サイト:tv-asahi.co.jp/hoshifuru_yoruni