文春オンライン(2月23日)では、彼のひととなりについて、同じ放送局で勤務経験のある元同僚がこう明かしている。

「仕事はそつなくこなすタイプです。冷静でインテリっぽいイメージで、誰とでも仲良くするというよりは、一線をひいて相手をよく見て付き合っているような印象でしたね。とても真面目で勉強熱心。スポーツ実況のために、競技の特性や選手のデータなんかを一生懸命調べていたのを覚えています。プライベートも順調だったと思います。(中略)見栄えも良いしテレビ映りも自然なので、悪い印象を持つ人はいないでしょう。天性のアナウンサーと言えると思います」

 だからこそ、船岡容疑者の起こした事件を聞いた際は、耳を疑ったという。

「女性がらみの事件というのには本当にびっくりしました。局内には、文春オンラインで不倫を報じられた阿部渉さん(「NHKトップアナウンサー阿部渉(55)が昼下がりに“禁断の局内不倫”『時間差、偽名、2部屋予約を駆使した厳戒態勢』=文春オンライン2022年10/29日)のような派手なタイプもいますが、船岡にはいかにもテレビのアナウンサーというノリの良さはあまりないものだと思っていたので……」(同前=文春オンライン)

「何でもそつなくこなす」「女遊びが派手なイメージはない」――船岡容疑者の知人らはそう口をそろえる。

 その彼がなぜ? 金沢から東京に戻るのではなく、札幌に行くことになった背景には、“相撲班”の重鎮から生意気だと嫌われたということがあったというが、今一つの理由は、金沢時代、今回の被害者になった後輩女子アナとの関係があったというのである。

 その後輩アナはもともと大相撲のファンだったという。

「船岡アナは相撲の実況をやっているので力士の知り合いが多く、よく力士たちと会合をやっていた。金沢で一緒に働いていた時、それを知った後輩女子アナが船岡アナに“会合に連れて行って欲しい”と頼んだ。で、そのようなことが何度かあったうちに親密になっていったと聞いています」(NHK局員)

 後輩の女子アナは独身だから、不倫ということになる。

「船岡アナにとっては不貞で、そのことも問題視されて札幌行きが決まったと聞いています。その後、二人の関係がどうなったかは不明ですが、ある時点で船岡アナは“捨てられた”。後輩アナが電話に出なくなったことで、船岡アナがストーカー化した、とも言われています」(同)

 文春によると、

「二人が親密になってしばらくすると、彼女は東京に栄転します。いわば船岡さんが育てたといっても過言ではなかった」(NHK局員)。彼には、「テレビを付けると、看板キャスターとしてデビューした、かつての部下が輝いて見えた」(元NHKアナウンサーの刈谷富士雄)に違いない。

 船岡は、東京五輪のメインキャスターの一覧にも名前はなかった。

 昨年7月に名古屋で開催された大相撲本場所の中継をやるが、その千秋楽が、彼にとっても最後の大相撲中継になった。

 翌8月に札幌放送局に異動になる。その前から「彼は徐々にメンタルを病んでいった」(元スタッフ)という。

 船岡は苦しい胸の内を刈谷にこう話していたそうだ。

「私は不当な評価を受けています。オリンピックの担当もそう。通常なら自分がやるべきところをやらせてもらえなかった」

 看板番組のキャスターになったA子は、この事件のニュースを読むことはなかったという。

 この事件が明らかになると、A子は誰なのかを探す“祭り”が始まった。キーワードは金沢放送局から来て、NHKの看板「キャスター」。推測を含めて、夜のニュースの女性アナの名前が挙がったのである。

 たしかに彼女は、知名度はそれほどなかったにもかかわらず、すい星のごとく看板番組のキャスターとして登場し、美人で歯切れのいい口調であっという間にお茶の間の顔になった。

 だが、この事件があった翌週の番組にも出ていて、普段と変わらずにニュースを読んでいたそうだ。

 しかし、ここへきて、彼女が別のニュース番組に異動するという話が出てきているようだ。以前から決まっていたことだというが、時期が時期だけにさまざまな憶測を呼んでいる。可哀そうだと思うが、この事件の余波はまだ続きそうである。

 この不祥事を、NHKの新会長はどう処理するのだろう。いつものように隠蔽してしまうのだろうか。就任早々、手腕が問われている。(文中敬称略)