今週の第1位は、NHKの有名アナウンサーが、こともあろうに自局の女性アナをストーカーした挙句に、マンションの3階から飛び降りて逮捕されるというバカバカしい話に捧げたい。

 文春、新潮とも2ページの短い記事だが、これが報じられると、ストーカーされたアナは誰かということが、ネット上で燃え上がり、このストーカーされた女性アナというのが、NHKの夜の看板番組のキャスターだという「噂」が流れ、ネット上では名前まで晒されてしまっているのだ。

 これは事実なのだろうか? まずは文春の記事からいこう。

 警視庁中野署は2月20日、NHK札幌放送局のアナウンサー船岡久嗣容疑者(47)を邸宅侵入容疑で逮捕した。

 この船岡容疑者は大相撲の中継や五輪の開会式のラジオ放送にも抜擢されたことのある、NHKを代表するアナウンサーの一人である。社会部記者がこう解説する。

「二月十七日の深夜、船岡は同局の後輩アナ・A子さん(二十代)が住む都内のマンションを訪れ、別の住人が入るのを見計らってオートロックを突破。部屋にいたA子さんの友人の民放局の男性(新潮では交際相手)に取り押さえられたのです。その際、逃走を図り、三階共用部のベランダから飛び降りたところ、全身を強打して入院。警察はストーカーの末の犯行と見て、二日間の入院の末、逮捕した」

 のだという。

 まず頭に浮かぶのは「なぜ?」という疑問だ。被害女性との間にトラブルがあった可能性もささやかれているが、現在も詳しい動機は不明のまま。NHKの期待の星だったアナに何があったのだろうか。

 船岡アナは1999年に早稲田の政治経済学部を卒業してNHKにアナウンサーとして入局。岡山放送局を振り出しに、2010年に東京アナウンス室に異動。本人の希望通り、相撲中継やフィギュアスケートなどのスポーツ中継で頭角を現したという。

 中継は多くの事前知識とその場でのとっさの判断が必要とされ、アナウンサーとしての力量が試される場だという。実際、実況担当の競争は激しく、同僚たちはどんどんふるいにかけられていく。そんな中で彼は相撲中継を中心に視聴者からも上層部からも高い評価を得て、エリートアナウンサーの仲間入りをしたのである。

 それだけに視聴者の関心も高い。船岡容疑者の逮捕の報が入ると、好角家やフィギュアスケートのファンなど、船岡容疑者のスポーツ実況に魅せられたユーザーの嘆きの声がSNS上にはあふれているという。

 2015年に東京を離れ、名古屋、金沢放送局を経て、昨年8月に札幌放送局に異動している。札幌は彼の出身地だ。

 現在は削除されているがNHKの公式ホームページで、「わたしがちょっぴり自慢したいこと」として「いまのところ、息子二人は父親を尊敬している…はずです」と家族円満な様子を匂わせていた。

「相撲やスポーツの実況アナは志願者が多い狭き門。船岡さんはそこで生き残ってきたエリートと言えます。また、NHK内部では相撲に携われる仕事をしている人の集まりを“相撲班”と呼びますが、船岡さんは“相撲班”の一員として一目置かれる存在でした」(NHK関係者)