――King & Princeの平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太の3人が5月22日にグループを脱退し、それぞれジャニーズ事務所を退所すると発表していますが、志茂田さんは、この脱退劇に元SMAPメンバーの影響があったのではと推察されていますね。

志茂田景樹(以下、志茂田) SMAPが解散して、香取慎吾、草なぎ剛、稲垣吾郎の3人が「新しい地図」として、荒野に道を切り開いていったと思うんですね。彼らはジャニーズ退所後に苦労しながらいろんな壁を乗り越えて、本当に覚悟とやる気があればできるんだぞ、という姿を見せてきたじゃないですか。たぶん、キンプリの3人は「新しい地図」が開いた道筋に憧れたんだと思うんですよね。

 ある意味でいえば、すでにある程度は道が開けているので、キンプリから脱退する3人は元SMAPの3人が味わったつらさや厳しさと比べると、退所後の活動が比較的スムーズにできるんじゃないでしょうか。ただ、SMAPは国民的グループになって5人それぞれが完成していましたから、ジャニーズを辞めたとしてもソロで十分にやっていける雰囲気があった。キンプリの脱退メンバーたちはそこまで到達できるのかが課題になると思いますが、みんな歌とダンスだけではなく、ドラマ、舞台、映画などの幅広い活動が予見できますから、「新しい地図」が切り開いた道を、さらに広げて伸ばしていく役割を期待したいですね。

――「新しい地図」以外にも、ジャニーズ退所後に活躍しているメンバーが増えていますね。

志茂田 僕が「退所組」で特に注目しているのは、それぞれ単独でジャニーズを退所した手越祐也、赤西仁、錦戸亮の3人ですね。3人とも根強いファンをつかんでいて、テレビなどでの活動が多かったジャニーズ時代に比べれば地味に見えるかもしれないけど、コンサートツアーを成功させたりしてアーティストとしてしっかり存在感を示している。むしろ、これからは彼らのように単独で新しい世界に飛び込んで、ソロでやっていこうという覚悟と自信を持って、苦難の道をいとわずに突き進んでいくべき時代ではないかと思います。

 そういう意味でいえば、ジャニーズ事務所のアイドルグループはソロ活動ができる人間を養成しているような一面もあると僕は考えているんですね。ジャニーズ事務所のパワーや存在感は今でも大きくて、その中で知らないうちにソロで活躍できるタレントを育てているように見えるんです。だから、タレントはジャニーズ事務所をもっともっと利用して、いずれはソロで世界に挑むという夢を胸に秘めながら、アイドルグループとして活動するのもいいんじゃないですかね。