現代なら携帯電話でいくらでも連絡が取れるだろうが、映画公開の1992年はまだまだ普及率が低いころ(ちなみにアメリカではこの年にIBMがタッチパネル付き携帯、今でいうところのスマートフォンをショーに出展していた)。最初この映画の設定を聞いたとき、どうやってニューヨークにいることを知らせて、家に帰るんだろうと不思議だった。フロリダ-ニューヨークの距離は約1700キロ。東京から沖ノ島ぐらい離れているんだから。
ケビンは空港で父親の鞄を預けられていて、その中には財布も入っていた。ケビンは「プラザ・ホテルでリッチなクリスマスを」過ごそうとホテルに向かう。ハンディタイプのカセットレコーダーで声をスロー再生して、父親のフリをして電話でホテルを予約。でもロビーで部屋のキーを受け取る時はどうする?
子供がやってきたのを訝しがるスタッフに
「僕はカウンターに隠れちゃうチビッコだよ? そんな子供がホテルの予約なんかできると思う? パパが予約したんだ。パパは会議中で、僕が退屈だってゴネたら『いたずらしないで部屋でおとなしくしてろ』ってさ。僕、いたずらっ子なんだ!」
なんという小生意気……おっと、大人びた子供なんでしょう。この行為がすでにいたずらだよ!
こうして高級ホテルのスイートルームで、ひとりぼっちのクリスマスを満喫するケビン。父親のクレジットカードでルームサービスを頼み、昼間はハイヤーでチーズ・ピザを頬張り、おもちゃ屋でショッピングという贅沢三昧。クリぼっちは最高だぜ!
ところが、ケビンは街中で前作に登場した泥棒コンビ、ハリー(ジョー・ぺシ)とマーヴ(ダニエル・スターン)に出くわしてしまう。彼らは刑務所を脱獄してニューヨークに来ていたのだ。何たる偶然! 二人から逃げ出したものの、父親のクレジットカードが盗難届に出されており、ケビンは詐欺犯扱いされホテルにいられなくなってしまう。