◆仏壇に向かう後ろ姿、シャツのカットワークの美しさ
田舎町で、ゲイである自分を押し殺して育った浩輔。彼にとって“着飾ること”とは、自分を鼓舞するための「鎧」のようなもの。冒頭の帰省シーンでは田舎の町並みにそぐわないネイビーのロングコートに白のパンツルックという派手な出立ちで、私たち観客に大きなインパクトを与えました。
個人的にこのファッションで感動したのは、浩輔が仏壇に手を合わせるシーンのカット。カメラワークでは浩輔の後ろ姿が映し出されるのですが、コートを着用していた時には見えなかったインナーのシャツのカットワークがとても美しいこと。後ろ姿からだけでも、浩輔のファッションセンスの高さが垣間見えた瞬間でした。