本作の歴史は、関東の田舎村で熊に襲われた少年が赤面疱瘡(あかづらほうそう)に感染する場面から始まる。若い男にのみ感染し10人に8人は死んでしまう赤面疱瘡は、またたく間に全国に広がり、男の数は女の1/4に激減。その結果、労働の担い手は女となり、男は子種を持つ宝として大切に育てられるようになる。

 そして、江戸幕府の将軍職も三代将軍・徳川家光が赤面疱瘡で亡くなったことをきっかけに女性が担うようになるのだが、将軍は男の名で呼ばれ、外国に赤面疱瘡のことを知られないようにするため、日本は鎖国するようになる。

 この、江戸時代に実際に行われた鎖国をうまく物語に絡める展開が、実に見事である。男女の逆転以外は史実通りに展開されるため、実は本当の歴史はこうだったのではないかと錯覚しそうになる。

 第2話以降に展開される家光編では、女でありながら将軍となった家光(堀田真由)と、無理やり大奥に連れてこられて家光の側室にされた僧侶・有功(福士蒼汰)の哀しい恋が描かれる。