『ザ・ノンフィクション』長引く戦争と失われる関心

 ウクライナ侵攻は当初、早期終戦になるという専門家の意見も多く報道されていたが、1年がたっても終わりの兆しが見えない。開戦直後は日本のテレビでも、ウクライナとロシアを特集した多くの番組が組まれ、個人でも終戦への願いを込めてか、SNSのアイコンにウクライナの水色と黄色の国旗の絵文字を付ける人がたくさんいた。

 しかし1年たつと、ウクライナのことをメディアが取り上げる機会は激減しているし、開戦直後ほどウクライナ国旗をSNSアカウントにつけている人は見かけない気がする。遠い国の戦争から日常へと興味が移り変わったといえばそれまでだが、その点で『ザ・ノンフィクション』が今、ウクライナの人々について放送することには大きな意義がある。私も今回の原稿料の一部を然るべき支援団体に寄付したい。

 来週は今回の後編。ウクライナに戻ったマーヤの身に起ったこととは。また一方で、日本で弟、妹たちの面倒をみることになった長女・アナスタシアも生活の変化を余儀なくされる。