マーヤは、ウクライナに戻ることに対し、番組スタッフへ「もちろん恐怖心はあります」「兄のことがなければ日本に残ったわ」と心中を明かす。

 この時点でマーヤ一家がウクライナを発った侵攻当初から半年ほどが経過しており、その間もロシア軍はウクライナ国内の鉄道はじめ、交通インフラの爆撃を繰り返したため、国内の鉄道の運行状況もはっきりしない状況だ。日本からウクライナの鉄道の切符を予約しようとしても、そもそも鉄道会社のサイトさえ見ることができない。

 さらにマーヤが日本を発つ前日に、彼女が帰るドニプロにロシアのミサイルが着弾したと報じられる。マンションやビル数棟が飲み込まれてしまうような巨大な爆発雲の映像が伝えられていた。マーヤは「カメラの前で全ての感情を見せるわけにはいかないけど、心の奥底には不安と恐怖しか……」と話す。

 そして10月11日、マーヤは日本を発つ。レギナもマトヴェイもマーヤにしがみついて泣いていた。成田空港の出発ゲートを通った後、マーヤは振り向いて笑顔で手を振っていた。