ドニプロを発った一家3人は、ウクライナの西に隣接するポーランドの首都・ワルシャワまで2日間かけ電車で移動。ワルシャワの駅はウクライナから難を逃れてきた人でごった返していた。その後、一家は生まれて初めての飛行機を3本乗り継ぎ、出発した日から12日かけて、ようやく日本にたどり着く。

 当初、一家3人はアナスタシアの夫・和真の家に身を寄せていたが、その後は都営住宅で暮らすことに。小学生のレギナは友達を家に呼び、運動会ではお気に入りの『鬼滅の刃』(TOKYO MXほか)の歌で踊り、ひらがなの表を読むなど、日本の暮らしに適応しているように見える。一方、幼稚園に通うマトヴェイはホームシックになっているようで「夏にはウクライナに帰ると思ってたよ」とマーヤにこぼし、ウクライナ国旗の元に3人(マーヤ、レギナ、マトヴェイ)がいると思われる絵を描く。

 和真、アナスタシアも、マーヤに日本に留まるよう話すも、彼女にはウクライナに戻らないといけない事情があった。マーヤには障害のある兄・ジェニャがおり、ジェニャの世話を高齢の義理の母、サーシャに頼み日本に来ていたからだ。なお、マーヤの夫は心臓発作で侵攻前に亡くなっている。

 そんな中、新型コロナウイルスの流行で延期になっていた和真とアナスタシアの結婚披露宴が行われることに。マーヤはアナスタシアのため、2日がかりで伝統的なパンを焼く。ウクライナの結婚式では、そのパンを新郎新婦が食べさせ合う風習があるという。娘の晴れ姿を見つめるマーヤだったが決意は変わらず、レギナとマトヴェイを和真とアナスタシアに託し、ウクライナに一時帰国することを決めた。