「カフェインは体に良くないから控えた方がいい」という説を耳にしたことはないでしょうか。確かに、人によってはカフェインを過剰に摂取した場合に、めまいや下痢などの症状が出ることがあります。しかし最近の研究では、正しい摂取方法ならカフェインは体に良い影響を与えるということが分かってきました。今回は、カフェインを多く含む食品であるコーヒーを例にして、カフェインが持つメリットとデメリットについて解説します。

カフェインとは?

カフェインとは、植物などに含まれている天然成分のこと。コーヒー豆・お茶の葉・カカオの実などに多く含まれ、苦みがあるのが特徴です。

カフェインには眠気を防いだり集中力を高める効果のほか、疲労感の緩和・脂肪燃焼・利尿など様々な効果があると言われています。

カフェインを多く含む飲食物としては、コーヒーやお茶、カカオを使ったチョコレートなどです。また、カフェインを添加したエナジードリンクや滋養強壮ドリンクも数多く市販されています。ほかにもサプリメントや医薬品など、非常に幅広い分野でカフェインは使われています。

カフェインの効果が現れるタイミングと持続時間

カフェインを摂取してもすぐに効果が現れるわけではなく、吸収されて全身に行き渡るまでに約30分かかります。血中濃度が最大化するのは摂取後30分~2時間ほど。その後は、個人差もありますが2~8時間かけてゆっくりと半減していきます。

カフェインのメリット

カフェインは「悪」じゃない!メリット・デメリットを紹介
(画像=Cafendより引用)

夜遅くに仕事や勉強をするときにカフェインを摂る方も多いのではないでしょうか。一般的に知られているカフェインのメリットとして、眠気を覚ます覚醒効果が上げられます。

その他にも、体の疲れをとる・頭が冴えて集中力が上がる・利尿作用で体内の老廃物を排出しやすくするなどカフェインには多くのメリットがあります。

また、頭痛を和らげる鎮痛薬としての効果もあることから、カフェインを配合した風邪薬も存在しています。

カフェインにはダイエット効果も?

カフェインには運動時の脂肪燃焼を促す可能性があることが最近の研究によって明らかにされつつあります。脂肪を燃焼させるには、交感神経を高めてリパーゼという酵素のはたらきを良くするプロセスが重要です。

カフェインが持つ、中枢神経を覚醒させる効果は交感神経を優位にさせるので、結果的にリパーゼが活性化し脂肪を燃焼しやすくするとされています。

カフェインの効果が現れるのは摂取後30分ぐらいです。運動する30分前のタイミングでカフェインを摂取すれば、よりダイエット効果を高めることが期待できるかもしれません。

カフェインのデメリット

カフェインは「悪」じゃない!メリット・デメリットを紹介
(画像=Cafendより引用)

カフェインは適量を守ることで多くのメリットが期待できますが、過剰に摂取すると以下のような急性作用をもたらす恐れがあります。

  • めまい
  • 心拍数の増加
  • 下痢や吐き気
  • 不眠症

カフェインに対する感受性は個人差が大きく、また国によって1日あたりの摂取量にも差があるため適量を定義するのは難しいのが現状です。2015年に公表されたEFSA(欧州食品安全機関)の意見書では、健康な成人で1日に400mg以内であれば健康への懸念は生じないとされています。コーヒーカップに換算すると約4.5杯分となります。

カフェインを控えるべきケース

一口でもコーヒーを飲むと頭痛がするという体質の人はもちろんですが、そうでない人でも妊娠中の場合はなるべくカフェインは控えるべきという意見がWHO(世界保健機関)などで公表されています。

海外の多くの公的機関では、カフェインが胎児に与える影響はまだ明らかにされていません。妊娠中は1日あたり200mg(コーヒー約2杯分)以内であれば健康リスクは生じないと公表していますが、個々の体質によってもその基準は変わってくることもあるので、基本的には控えることをお勧めします。

カフェインを気にせずにコーヒーを楽しむ方法2選

カフェインは「悪」じゃない!メリット・デメリットを紹介
(画像=Cafendより引用)

カフェインが多く含まれるコーヒー。気になるのは、眠気を覚ます効果が及ぼす睡眠への影響です。そこで、カフェインを気にせずにコーヒーを楽しむ方法を2つ紹介します。毎日コーヒーを愛飲している方は、ぜひ参考にしてみてください。

コーヒーを飲むタイミングを調整する

コーヒーを飲んでカフェインが体内に行き渡るまでは約30分。その後、カフェインの効果は半減するまで2~8時間続きます。これを就寝予定時間から逆算して、コーヒーを飲むのをやめるタイミングを調整する方法です。

たとえば0時に寝る方なら、最大で8時間前の16時までにコーヒーを絶てば、カフェインの覚醒作用を避けることができるでしょう。

カフェインレスコーヒーを選ぶ

夜でもコーヒーが飲みたい方や妊娠中の方なら、カフェインが除去されたカフェインレスコーヒーがおすすめです。

加工技術の進歩により、カフェインが入った通常のコーヒーの風味に近い製品も増えています。