◆夫から逃げ、暴言のない日々に「心」を取り戻していく

ドラマ『夫を社会的に抹殺する5つの方法』の第7話は、奥田茜(馬場ふみか)が夫の姉・和美(森カンナ)の家に転がり込むところから始まる。

「本当の姉だと思って頼って」と言ってくれた義姉に、茜は徐々に心を開いていく。一方で、義姉には何か大きな秘密がある様子。

この7話で印象に残ったのは、茜が暴言を吐かれたりせず、義姉のもとで穏やかな日々を暮らしつつ散歩をしているシーンだ。子連れの若い夫婦の幸せそうな様子を見て、自分と夫との間にも、ゆったりと幸福な時間があったことを思い出す。

暴言を吐かれない日々は茜に「心」を取り戻させたが、一方で誰も彼もが忙しそうに動き回る日常の中で、自分だけがひとりポツンと取り残された気持ちにも陥っていたのではないだろうか。

茜が作った料理を、和美はおいしいと大絶賛、「天才」とまで言ってくれる。夫には褒められたこともなかった、見向きもされなかったのに食べて感激してくれる人がいる。夫婦の歯車はどこで食い違っていったのだろう。

「仮面さん」の謎はまだ解けないし、茜の復讐はまだ残っている。彼女は復讐を遂げることができるのか、そこまでひとりの人間を追いつめることは可能なのだろうか。