これまでとは格の違う強敵だが、弱みを見つけ、それをネタに真相を引き出そうとする鷲津の戦略は変わらない。鷲津が目を付けたのは、鶴巻が絶対に夜の予定を入れないという第2・第4月曜日。身内以外は鶴巻が誰と何をしているのかを知らないといい、秘書の蛍原梨恵(小野花梨)と蛯沢眞人(杉野遥亮)に探らせる。副幹事長で、鷲津の親友でもある鷹野聡史(小澤征悦)は「幹事長を探るのだけはやめろ」「(職務外の)動向を探って更迭された代議士は何人もいる」と、脅しにも似た忠告をするが、鷲津はその助言を無視してでも尾行を実行。切迫感のあるBGMと相まって緊張感に満ちた尾行シーンだが、鶴巻にあっさりバレてしまう。

 週刊誌記者・熊谷由貴(宮澤エマ)の協力によって二度目の尾行は成功し、鶴巻が医者に会っていることを突き止め、体調に不安があるのではと鷲津は問い詰めるが、鶴巻はただのチェス仲間だと言って相手にしない。さらに、鷲津は選挙中、鶴巻の指示で票集めのために500万円をバラまいたが、鶴巻は自分が指示した証拠はないとして、この「買収」工作をネタに逆に鷲津を脅す。おそらく500万円は、最初から鷲津の弱みを握るための“罠”だったのだろう。用意周到な鶴巻の恐ろしさが浮かび上がる。脅された鷲津だが、真相を知るためなら議員辞職となっても、逮捕されても構わないと怒りを見せる。そして自分が逮捕されるなら、その前にすべてを暴露すると警告。たとえ鶴巻が隠ぺい工作を指示したとの証拠がなくとも、直後に自分が逮捕されれば国民は疑うはずだとにらんだのだ。それでも「歯向かってくるぐらいのほうが私は好きだ」と余裕を見せる鶴巻。鷲津と鶴巻の攻防はとにかくハラハラさせられるシーンだった。

 もうひとつのスリリングな展開といえば、蛯沢の兄・浩輝(森田甘路)の死にまつわる真相を蛍原が鷲津に伝えたシーンだろう。浩輝は経営する運送会社の融資に困り、鷲津が秘書として勤めていた元代議士・犬飼孝介(本田博太郎)の事務所に陳情したが、「善処する」の返事をもらって喜んだものの、そのまま放置された末に過労死してしまった。蛯沢は兄の復讐を果たすべく犬飼事務所のスタッフに加わったのだが、鷲津による犬飼失脚によりその悲願は成就したはずだった。しかし、浩輝の陳情は実は犬飼本人ではなく鷲津が対応していたことが発覚。放置していたのも鷲津だった。蛍原に、蛯沢に知らせるかどうかは任せると言われる鷲津。犬飼への復讐を果たし、研究職に戻るか悩んでいた蛯沢に「俺、鷲津さんについていきます!」と純真な目で宣言され、鷲津はとうとう事実を明かすか……と思われたが、言いとどまってしまう。鷲津は息子の事件の真相に迫りつつあるが、蛯沢が兄の件の真実を知る日は来るだろうか。

 第6話は鷲津に危機が迫る中で、竜崎総理も動き出した。「目の上のたんこぶ」である鶴巻を追い落としたい竜崎は、鷲津の息子の事件の隠ぺい工作を図ったのが鶴巻であり、鷲津がそれを探っていることを知り、協力を申し出る。鶴巻派のスキャンダル発覚をもくろむ竜崎は、事件当日に鶴巻が予定を切り上げて幹事長室にこもりきりになっており、誰かと密談していたのではと鷲津に囁く。そして鷲津がたどり着いたのは、なんと厚生労働大臣の鴨井ゆう子(片平なぎさ)だった。