脅威から世界を救っているように見せかけて、実はヒーローたちの行いの代償をヒーローたちが払っているだけだったりする。その被害が一般人にも及んでいるとしたら、ヒーローというものの在り方が問われるはずだ。

 そういった論争は今までの作品の中でも描かれてはきていたものの、世界観を広げすぎたせいでドラマ性がどんどん失われてきてしまっている。そんな疑問点から目を逸らさせ、アドベンチャー要素で誤魔化すためにジェフ・ラブネスやマイケル・ウォルドロンといった、『リック・アンド・モーティ』のクリエイターたちが招集されているとしたら……。

 フェーズ5がまだ始まったばかりであることから、今後、軌道修正をしていってもらえればいいのだが、それ以上に不安なのは、アメコミの世界というのは(マーベルだけに限らずDCやイメージなどもそうだが)、設定に行きづまると何度もリセットして仕切り直しを行ってきていることだ。それと並行して、リセットされる前の世界線を描いたアナザーストーリー的なものが出版されて、最終的にその世界とつながるイベントがあったり、またそれがリセットされたりして……歴史が続いてきている。