描きたかったのは家族の大切さ……なのか?
『13日の金曜日』が若者の性の乱れを描いているし、『ハロウィン』も暴力性の連鎖を描いているなど、どんな時代でもホラーというものは常に作り手の嫌うものや社会問題を題材としてきた。そう考えると、最近のホラーやスリラーはYouTuberやインフルエンサーがターゲットになることが圧倒的に多くなってきている理由に気付くはず。
つまり映画人たちは、口にこそ出さないだけで、そういった層を嫌っている人が多いのだろう。ホラーだけに限らず『ザ・メニュー』(22)や今月公開の『逆転のトライアングル』などを観てもそう感じる。
ところが結局は、宣伝的にそういった層の力が必要不可欠になっている状況にもイラ立っているのだろう。またそれをYouTuberやインフルエンサーが何も違和感持たず宣伝しているのだから、改めて考えるとなかなかおかしな時代だ。
SNS自体が悪いと思ってはいないだろうが、社会システムの一部として、日常的になり過ぎることで、実際の大切な人とネット上の見えないフォロワーを混合してしまうことへの危機感を持ってほしいと本作は言いたいのではないだろうか。
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