さまざまなシチュエーション・スリラーがある中で、ここまでストレートで自業自得なものがあっただろうか。600メートルの電波塔に登って戻れなくなってしまったというおバカな設定の映画『FALL/フォール』が2月4日より公開中だ。

 トラウマを克服させようとして、あえてトラウマ体験をさせるという明らかに間違った方法をとる友人も友人だが、それについていく主人公も主人公だ。ほかの方法がもっとあるように思えるのだが……。

 普通の感覚なら、数十メートルの電柱にすら登りたくない。ましてや600メートルもある電波塔に登ろうという発想がないだけに、主人公たちは、そもそもネジがぶっ飛んでいる状態だといえるだろう。