さて、コロナワクチン接種に疑問を投げかけてきた新潮だが、今週は「生命原理に反している」ときた。

 こりゃ、どえらい方向へ行ってしまったのではないかと読んでみた。

 福島雅典京都大学名誉教授はこういっている。

「コロナウィルスというのはスパイクタンパク質という“トゲ”を自分の周りにたくさん生やしています。そもそもこれが悪さをするのですが、コロナワクチンでは、このスパイクタンパク質を作り出すmRNA(メッセンジャー RNA)を体に取り入れ、抗体を作り出す仕組みになっています」

 続けて、

「本来、体内にmRNAを取り入れても、RNA分解酵素によってすぐに分解されます。しかしコロナワクチンでは、効果を一定期間持たせるため、mRNAを色々と修飾しています。また、それを脂質ナノ粒子の中に入れることで、細胞に効率よく取り込まれるようにしています」

 体内でmRNAが容易に分解されないように「設計」されているコロナワクチン。そこにこそ重大な問題がある、と福島名誉教授はいうのだ。

「生命とは何かを考えたとき、その何十億年という進化の過程を考えれば、mRNAがRNA分解酵素ですぐに分解されなければならない生命原理があると考えるのが生物学の基本です」

 だが、今回のワクチンのmRNAは修飾加工されて、脂質ナノ粒子に包まれているため、

「体内において非常に安定で、あらゆる細胞に取り込まれる。mRNAというすぐに分解されるはずの物質が、一定期間体内を漂っているというのは、生命原理に反しています。そんな状態に人間がさらされたことは、これまでの長い歴史で未だかってありません」

 厚労省のHPには「mRNAワクチンで注射するmRNAは短期間で分解されていきます」とある。だが福島名誉教授は、

「短期間で分解されたらコロナウィルスに対する効果は出ないはずですから話になりません。すぐに分解されないようにすることで、実用化にこぎつけたわけです。科学をまるで分かっていない連中の文章です」

 と断罪する。

 厚労省のHPには次のような記述もある。

「mRNAは、人の遺伝子情報(DNA)に組み込まれるものではありません。体の中で、人の遺伝情報(DNA)からmRNAが作られる仕組みがありますが、情報の流れは一方通行で、逆にmRNAからはDNAはつくられません。こうしたことから、mRNAを注射することで、その情報が長期に残ったり、精子や卵子の遺伝情報に取り込まれることはないと考えられています」

 小島勢二名古屋大学名誉教授はこう警告する。

「人のDNAにワクチンのmRNAが組み込まれた場合、がんを発症する可能性は十分に考えられます」

 この論争、厚労省側が会見をして詳しい説明をしない限り、まだまだ続きそうである。