「犯罪の陰に女アリ」。古い諺だが、今回の連続強盗・殺人事件の主犯「ルフィ」たちを支え続けたのも女たちだった。

 2019年11月にキャッシュカードを盗んだ疑いで逮捕された柴田千晶(32=旧姓酒井)は、マニラを訪れた際に知人を通じて、「コウ」と名乗っていた渡邉優樹(38)と知り合い、男女の仲になったと新潮が報じている。

 それ以降、日本から現金を持ち出したり、SNSやメッセージアプリを通じて、特殊詐欺の「受け子」をリクルートする仕事をするようになったそうだ。

 彼女は大阪地裁で懲役4年6カ月の判決が出て確定している。

 だが渡邉は、マニラ市内最高級のキャバクラで働くモデルみたいな子にぞっこんで、誕生祝をするのに5つ星のカジノホテルを予約してあげたという。

 今井磨人(38)は、VIPルームで約2万円もするボトルを4、5本あけたりと、湯水のように散財していたそうである。

 だが、総額60億円ともいわれる稼いだカネは、そんなことで使い切ることはできなかっただろう。

 しかし、警察がやっきになり、被害者たちは少しでも回収したいと思っているだろうが、見つかる金はそう多くないとの見方が大勢のようだ。

 強盗殺人は被害者が1人でも死刑にすることができるというが、そのためには、ルフィたちが明確に「殺してもいい」という指示をしていたことを立証する必要があるが、なかなか難しいようだ。

 この稀代の犯罪集団はどのように形づくられていったのか、私はそこに興味がある。