◆“おディーン様”のイメージ
ディーン・フジオカをイメージするとき、真っ先に浮かぶのが、月9ドラマ『シャーロック アントールドストーリーズ』(フジテレビ系、2019年・以下、『シャーロック』)で演じた主人公・誉獅子雄のクールビューティーなたたずまいだろう。同作の彼は“おディーン様”の愛称(いや、敬称?)にふさわしい振る舞いで、終始一貫して現代版シャーロック・ホームズになりきっていた。
深田恭子主演の傑作ラブコメドラマ『ダメな私に恋してください』(TBS系、2016年、以下、『ダメ恋』)でも三浦翔平の柔らかさとは好対照にクールなドSキャラクターを演じていた。でもディーンはときにイメージを大きくぶっ壊しにかかる。『星降る夜に』では、イメージ崩壊を恐れない振り切り方がすごい。
「マロニエ産婦人科医院」の新米産婦人科医である佐々木深夜は、爽やかイケメンなビジュアルとは裏腹に、ドジな奴でまだ仕事ができない。手術室に急ぐ途中、段差でつまずき、すれ違った看護師と衝突。尿検査のカップを頭からかぶってしまう。おしっこまみれのおディーン様、これは初登場にして衝撃的な場面だった。