『ザ・ノンフィクション』亡き家族の意外な趣味

 スーさんの妹は、兄がストリップにはまっていたことがショックだったという。スーさんは元警察官であり、番組内でも「体がしんどい」以外の感情をあまり出していなかった。そんな静かな兄と、ストリップという趣味がつながらなかったのだろう。

 筆者もストリップは見たことがあるが、事前に想像していた“淫靡”な感じはなく、“人間賛歌”的なものであり、生身の人間が放つ熱を感じた。ストリップ以上に「事前の印象」と「実際に見た感想」が違うものを私は知らない。そのくらい違う。

 『ザ・ノンフィクション』の愛美のドキュメンタリーも、「人間賛歌としてのストリップ」を知れる回だったと思う。番組DVDがなかったら、スーさんの妹は兄の死後、兄を誤解したままだったのかもしれないと思うと怖い。

 「自分が死んだあとのことは関係ない」という考え方もあると思うが、遺品を整理するのは遺族だ。「説明が必要そうな遺品」が私もないわけではないので、思いがけず終活についても考えさせられる放送だった。

 次回は『CEOになりたくて ~ポンタの上京物語~』。広島から上京し、「U-25起業家シェアハウス」で起業家を目指す21歳のポンタ。動画を利用した旅行アプリというアイデアはあるものの、アプリ開発スキルもなく……。