昨年の大みそかに放送した『第73回NHK紅白歌合戦』は、2部の世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)において歴代ワースト2を記録。さらに、朝ドラ『舞いあがれ!』や、年明けにはじまった大河ドラマ『どうする家康』も、パッとしない視聴率で推移している。

 NHKの人気低迷が囁かれる中、今年1月に会長交代の人事が行われることとなった。1月25日、日銀理事やリコー取締役会議長を務めた稲葉延雄氏が新たなNHK会長に就任。これまで改革派として剛腕を振るってきた前田晃伸氏は退任する。

「前田元会長は、紅白の打ち切り発言が雑誌で報じられるなど、とにかくNHKをぶっ壊そうとしていた。視聴率が取れて、なおかつ新しい番組作りをするように指示し続けました。さらに、管理職の削減や人事改革も行い、仕事をしていなかった職員がかなり粛清された。その影響で若手は逆にやる気を出し、いい番組が多く制作されるようになっていたんです。一方、新会長の稲葉氏は改革派とはいえず、官邸に近い人事だとも報じられている。一説には、自民党が進める受信料1割値下げを断行するための人事だと言われています」(週刊誌記者)