この「入れ替わり」と「タイムスリップ」の2つの要素を掛け合わせたことが、同作を怪物作品に押し上げた大きな要因ではないかと思います。
テレビのバラエティ制作に関わる人間も「定番の企画やシステムに何をかけ合わせれば斬新で面白い企画が出来上がるか?」ということに日々思考を巡らせています。
例えば、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)は「雛壇トーク」という定番のシステムに〇〇芸人といった「くくり」という要素を掛け合わせたことで、それまでに無かったトーク番組となったわけです。テレビ以外でいうと、近年のゲーム界で大ヒットを記録した『ウマ娘 プリティダービー』は「競馬ゲーム」に「萌えキャラ」を掛け合わせた見事な企画ですね。
企画指南術の本などで「企画の才能」について語られる時、既存の要素を組み合わるセンスに秀でた者が、企画者として才能があると言われます。その意味で、新海監督は企画者としての才能をお持ちの方なのだと思います。
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