そんなとき、直木がシェフを務めていた「洋食屋ハチドリ」のオーナーである池澤英介(荒川良々)から、直木と開いていた子ども食堂に来ていた木内兄弟の弟・海翔(三浦綺羅)の行方が分からないと連絡が入る。直木には海翔が行く可能性のある場所に心当たりがあった。その場所は里親である広田勝(春風亭昇太)の家にいたころに直木と悠依も連れていってもらったことのあるキャンプ場だった。口笛によるコミュニケーションで直木が伝えたいことを察した悠依は、英介にキャンプ場を探すよう伝える。車で駆けつけた英介は無事に海翔を見つけるが、海翔は「ここに来る途中、なんか……怖いもん見た」と英介をその場所へ連れていく。そこにあったのは、ブルーシートに覆われていた直木の遺体だった。
遺体と対面し、直木の死という現実を目の当たりにする悠依。悲しみと暮れる彼女を励ましたのは、直木の不器用な口笛が奏でる思い出の曲だった。再び立ち上がった悠依は、事件の手がかりを求めてかつて二人が育った里親の家を訪れる。すでに亡くなっている勝の家には誰もいないはずだが、悠依は居間に敷いてあったカーペットがなくなっていることに気がつく。また、直木の遺体の左手にあった花の鉢植えもここにはあった。本棚を探ると、そこには里親にお世話になっているころに撮った写真が。尾崎莉桜(安斉星来)と写ったその写真の裏には「リオ ユイ スズカ」という3人の名前があった。スズカは殺害された高原涼香なのか?と疑問をもつ悠依のそばで、急に直木は苦しみ始め、床に倒れ込んでしまう――。
第4話にして、直木の死は決定的なものとなってしまった。今後は事件の真相解明や、直木の魂との別れに重きを置くドラマとなることが確定したといえる。悠依の記憶にない「スズカ」は、本当に高原涼香と同一人物なのか。また視聴者の間では、「リオ ユイ スズカ」という名前の順番が話題となっている。写真に映っている順番も莉桜、悠依、「スズカ」の順であり、裏に書くのなら「リオ」と「スズカ」は逆になるのではとの指摘があるためだ。表の写真の順番どおりに書いただけの可能性が高そうだが、一方で夏英が悠依に語った“脳が記憶を書き換える”発言が伏線という可能性も少なからずある。となれば、悠依の記憶はどこかで書き換わっており、それゆえに「スズカ」と3人で写真を撮った記憶が悠依から抜け落ちているのかもしれない。