がん治療中は「日常生活の困りごと」も増える

「治療を続ける中で、日常生活で困ったことも伺ってみました。まず、具合が悪いときには家事全般ができなくなってしまう、買い物にも行かれない、病院に通うのに電車に乗るのも大変だが、タクシーを頼むのはちゅうちょしてしまう、などの声が多く出ました」

▽がん罹患後、女性が生活で困ったこと(複数回答、456人)

  • 治療や体調の相談…43%
  • 外見ケア…43%
  • 買い物…39%
  • 食生活への配慮…39%
  • 通院…37%
  • 炊事…36%
  • 医療情報の取得…31%
  • 掃除…28%
  • 生活費…26%
  • 洗濯…25%
  • 隣人・知人とのコミュニケーション…24%
  • パートナーとのコミュニケーション…23%
  • 親族とのコミュニケーション…20%
  • 育児…19%
  • 家にいることのストレス…18% ▽がん罹患後、男性が生活で困ったこと(複数回答、116人)
  • 食生活への配慮…53%
  • 治療や体調の相談…46%
  • 医療情報の取得…35%
  • 通院…34%
  • 生活費…28%
  • パートナーとのコミュニケーション…24%
  • 親族とのコミュニケーション…21%
  • 外見ケア…19%
  • 隣人・知人とのコミュニケーション…21%
  • 育児…16%
  • 炊事…11%
  • 買い物…11%
  • 家にいることのストレス…11%
  • 掃除…9%
  • 洗濯…7% 抗がん剤治療のために顔がむくんでしまうなど、女性からは、手術や治療で外見が変わってしまう場合の悩みもありました。こうした外見のケアは、働く上では大切なポイントになってきそうです。

    新しい保険の生活支援サービス

    こうした、患者の声をくみ上げて生まれた「ライフネットのがん保険 ダブルエール」では、働きながらがんを治療する「サバイバーシップ支援サービス」を設けました。

    会場には、この支援サービスで提携している企業の中から、タクシー会社「日本交通」の川鍋一朗会長、家事サポートサービスの「ベアーズ」の高橋ゆき取締役副社長も駆けつけていました。

    この支援サービスで、日本交通では、介護などの資格を持ったドライバーが、病院などへのお出かけをサポートします。ベアーズでは、家事全般からベビーシッター、買い物代行や通院時の付き添いなどを行います。

    このほかにも、支援サービスには、病気を抱える人のニーズをよくとらえているサービスがラインナップされていました。例えば、カットしてあり、あとは調理するだけの野菜を届けてくれる宅配サービスです。

    健康な状態では「そんな面倒なことをしなくても、できあいの料理を届けてくれればいいのに」と思うかもしれません。しかし病気のときは、小さなことで自信をなくしてしまいがちです。食材を包丁で切るという、健康ならできて当たり前のことができなくても、調理して完成させることが、小さな達成感につながったりもします。そんなニーズもあるのかなと筆者は感じました。

    「この商品の販売で、がん保険のあり方を変えていきたいと思います」と岩瀬さんは締めくくりました。

    (写真=筆者撮影)