◆大谷さんの課金総額

息子の進路をめぐり夫婦げんかが絶えなくなった大谷さん。塾・予備校代のほか、静かな環境で勉強させるため勉強部屋を借りている。

個別指導塾代(1コマ2万円×80コマ)……160万円

予備校代(年120万円×2年)……240万円

大学受験料(1校3万円×11校)……33万円

大学入学金(1校30万円×2校)……60万円

勉強部屋代(家賃3万円×10か月+契約時初期費用)……54万円

合計……547万円

◆中学受験は過熱しすぎ!「コスパのよい受験」とは?

受験
御三家など最難関校に合格できるのは、上位1%にも満たない超トップ層(写真は桜蔭学園/PIXTA)
高い学歴を獲得するためには重課金をと煽る日本の受験産業。その費用対効果はどうなっているのか。

前出の藤沢氏は、「中学受験をする場合は、小4から塾に入るのが標準的で、少なくとも300万円が塾代に消えていきます。まず、大前提としてこの300万円が家計に響くなら中学受験のスタートラインにすら立てませんし、立つべきでもありません」と話す。

ただ、中学受験に向いている子どもはSAPIXなどの塾と家庭学習だけで合格するが、半面、成績が振るわない子ほど、個別指導塾や家庭教師などに追加課金する傾向にあり、その額も膨れ上がっていくという。

「ただ、仮に1000万円課金して結果的にワンランク上の大学に入ることができたら高給の大企業に入りやすくなり、1000万円は十分に回収することができます。投資として悪くないです」