◆林さんの課金総額
定期で通う塾のほか、追加課金した個別指導塾の費用がかさむ。結局は入学しなかった滑り止めの学校の入学金も痛い出費だった。
SAPIXなど塾代(1か月10万円×36か月)……360万円
個別指導塾代(1コマ2.5万円×188コマ)……470万円
中学受験料(1校2.5万円×6校)……15万円
入学金(1校30万円×2校)……60万円
参考書代(およそ50冊)……8万円
合計……913万円
◆年間80万円の塾代を課金するも2浪
では、中学受験を諦め大学入試から上位校を目指すのはどうか。大谷徹さん(仮名・46歳)は、「それがいいとは限らない」と漏らす。
「東京育ちの妻は息子に中学受験をさせたがっていましたが、田舎の公立から早稲田に受かった私からしたら、当時は高いカネを払って私立に行く意味がわかりませんでした」
大谷さんの反対もあって、息子は中高とも公立に通ったが、部活にのめり込みすぎて成績が振るわなかったという。
「高校2年生から個別指導塾に通わせたため、年間80万円が塾代に。それにもかかわらず、早慶どころかMARCHすら受からず、今年で2浪目。予備校の授業料が年120万円かかっています。今更ながら中学受験で付属校に入れておけばまだ、課金地獄にも天井が見えたと後悔しています」
子どもに高い学歴を与えるのに高額な費用を必要とする現代の受験戦争。しかし実際はカネをかけたところで、望む学歴が手に入る保証はまったくない。