それは学生時代の友人らとの食事会。司法試験に関係のないことは排除する効率至上主義の真中だが、友人からの連絡に渋々参加。ロースクールでは優等生扱いだが、友人たちとはパワーバランスが逆転しているようだ。食事会で浮き彫りになったのは、外資コンサルティング会社などで活躍する“社会人”の友人と、ロースクールで司法試験合格を目指し勉強に励む“学生”である真中との立場の格差。どうやら真中は就活に失敗したようだが、「もともと弁護士志望だったから、試しに受けただけだよ」と友人の前では強がる。だが、友人たちから「そのうち、俺たち真中に逆転されるな。大企業の顧問弁護士とかになれば年収、億超えるんだろ?」と、真中を下に見ていることを示唆するナチュラルマウンティングを受け、真中の胸はえぐられる。

 家族に対しても、心の中で苛立ちを抱えながら表面上は真面目な長男を装っている描写は第3話でもあったが、第4話では妹が、自身が最終面接で落ちた外資コンサルティング会社の内定を得たことを報告されてしまい、真中は平気そうな顔をなんとか貫く。だが、周囲との差は開いていく一方で、内心では焦りや悔しさがさらに膨らんでいき、藍井ゼミ選抜テストでも集中できない。真中はテスト直後、「(テストの出来を)気にしても仕方ない。気持ちを切り替えよう」と話す実務演習の受講仲間たちに苛立ちをぶつけてしまう。そして「僕は君らとはレベルが違うんだよ。たまたま同じ授業受けてるからって一緒にすんなよ!」と、隠し持っていたエリート意識をあらわにするのだった。しかし、水沢拓磨(前田拳太郎)から「いいヤツぶって、人によく思われようと必死みたいだけど、バレバレだから」と見透かされ、「お前っていっつも口先だけだよな」と厳しい指摘を受けると、真中は何も言い返せず、その場を立ち去るしかなかった。

 真中は水沢と対立を深めていくが、正義感の強い水沢が「弱者に寄り添う弁護士」を目指し、実務演習でもその姿勢を有言実行する真っ直ぐな姿をどこか羨んでいるようでもあった。そして模擬裁判の授業で被告側の弁護をともに担当することになった天野向日葵(河村花)が、裁判に勝つためではなく、被告の立場を始め、さまざまな角度から当事者に思いを馳せ、真摯に検討する姿勢に真中は感銘を受け、ついに変化が生まれる。裁判が泥沼化して長期にわたる可能性があること、裁判が長引けば原告側にも大きな負担になること、また被告側が高額な損害賠償を支払うと倒産し、従業員が路頭に迷う可能性があることなどを鑑みて、真中は「徹底的に争って勝ち負けを決めたところで、それで依頼人が救われるとはどうしても思えない」と熱弁。「弁護士として依頼人にできること」として和解を申し出るのだ。模擬裁判の授業の目的から和解交渉は本来想定外だが、“弁護士は依頼人を勝たせるために存在する”と考えていたはずの真中が提案した和解は、「双方の依頼人のため」に実現することに。