さて。今年の結果を見ると、少し予想とは違うランキング内容だった。藤井風もVaundyも、ドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』(フジテレビ系)の主題歌だったMirage Collective「Mirage」もランクインしていない。

 では、選者が有望株に唾を付けるべく、青田買い的なランキングになったかというと、そうでもなかった。各々が何を重視し、選出していたかというと、「バズった!」「何億回再生!」などである。それらの結果が先行する、SNSバズ(TikTok発)のアーティストばかり登場した印象。蔦谷やいしわたりといった目利きが、その手のミュージシャンを率先して選んでいたのだ。

「この企画で取り上げられる新人をチェックしたい!」「このランキングで取り上げられる前に、有望株をチェックしたい!と考える視聴者からすると、その傾向は少し肩透かしだった気がする。加えて、選者たちも多くの音楽を聴きすぎて、判断基準がブレてきた印象もある。それとも、2022年は不作だったか? 年始恒例のランキング企画だが、正直、今までで最も響いてこない内容だった。

身も蓋もないことを言えば、音楽は他人からレコメンドされるのではなく、自分でディグるのが1番楽しい。そんな基本中の基本を再認識させる、今回の『関ジャム』だった。