ーーネームバリューがある作品じゃないと、ということもあるでしょうし、だからこそ清水監督がホラー映画の第一人者として頼りにされているのだと思います。

清水 僕や中田秀夫監督が「ホラーと言えば」な監督になっているんですけど、それは有難い事ではあるのですが、かなりヤバいと思っています。僕としては、もっと20代や30代の若手や、女性の監督にも出てきてほしい。若手の人や女性にしかできない感覚のホラー映画は絶対にあると思います。僕が言うのもなんですけど、「いまだにホラーの代名詞が『リング』や『呪怨』だけで大丈夫?」って思いますよね。

ーー新しい才能がもっと出てきて欲しいですよね。

清水 そのほうがいいですよね。そう言う意味では『ミスミソウ』や『許された子どもたち』の内藤瑛亮監督に注目していましたけど、彼の根っこの思想はいじめや弱者で、必ずしもホラーに特化したものではないですね。それを言ったら、中田監督も僕もそうですけど。中田監督はもともと日活ロマンポルノが大好きで、日活に就職した東大出のエリートで、今でもメロドラマが好きって言っていますからね。

ーー清水監督はホラーがお好きですよね。

清水 おそらく中田監督よりは好きですよ(笑)。そこは中田監督にも同意してもらえると思います。それでも、やはり『リング』の人、『呪怨』の人、と言われ続ける。僕はもう50歳ですし、中田監督は61歳。自分から営業妨害しているようなことを言っていますけど、やっぱり僕たちにいつまでも頼っていたらダメだと思います。