ギフテッドを守る取り組み
現在世界では、アメリカやカナダを先進国としてギフテッドの教育システムが構築されていますが、日本ではギフテッドやその親に対する教育的支援はほぼ皆無です。
しかし、ギフテッド教育に向けて国内の動きが全くないわけではありません。
2019年に文部科学省がまとめた報告書「教育改革の総合的推進に関する調査研究」の中には、「特定分野に特異な才能を持つ児童生徒に対する指導」の項目があります。
この「特異な才能を持つ児童生徒」はギフテッドを指しており、ギフテッド教育の導入へ向けて国が動いていることを表しています。
実際はまだ研究対象であり、具体的な教育システムが導入されているとは言えませんが、国内でもギフテッドの認知は進みつつあると言えるでしょう。
また、先程書いた「ギフテッド育児奮闘記」の著者である「ギフテッド応援隊」は、ギフテッドの保護者たちで構成され、勉強会やお茶会などでの交流を中心に活動している一般社団法人です。
2021年4月時点で、会員数は200名以上。
ギフテッドは、日本国内に2%ほどしか存在していないと言われています。
誰かに相談するのは難しいですし、学校で上手くいかなければ「うちの子は異常なのかしら」と不安になってしまうかもしれません。
そんなときに我が子がギフテッドである可能性に気付くきっかけを得ることが出来れば、才能を伸ばしてあげる機会を失わずに済むでしょう。
まとめ
ギフテッドは現在でも定義が曖昧で、分からないことも多い存在でもありますが、とある才能に突出し、能力の非常に高い子どもを指す言葉です。
日本では「英才児」「天才児」というイメージが強いですが、ギフテッドは飛び級するような天才や大学生レベルの問題をスラスラ解くような頭の良い子ども、という漠然とした印象とはまるで違います。
ギフテッドの持つ主な特徴は以下の通りです。
- 記憶力に優れている
- 興味のあることに対して高い集中力を持つ
- こだわりが強く完璧主義
- 大人のような言葉、思考を用いる
まさに神から愛され、特別な才能を与えられた存在であると言われています。
しかしその一方で、
- 感情の起伏が激しく、制御出来ない
- 集団行動が苦手で、対人コミュニケーションに困難がある
- 敏感で、大きな音が苦手
- こだわりが強すぎる
など、周りとのコミュニケーションに悩んでしまう特徴も持っていると言われています。
さらに厄介なのが、ギフテッドにはタイプによって才能に凹凸がある点です。
ギフテッドには「英才」と「2E」の2種類のタイプがおり、全体的に優秀な「英才」と異なる「2E」は、何かに突出している一方で、他の分野は平均以下。
ギフテッドは天才児と言われますが、総合的に見れば成績優秀ではないこともあるのです。
才能に凹凸がある我が子を見た親が、「良いところがあるから悪いところもあるんだな」ではなく、「この子には何か問題があるのでは?」と心配になってしまったらどうでしょう?
悪い方へ考えてしまえば、天才児である可能性は感じずに終わってしまうかもしれませんね。
ギフテッドの定義が曖昧な現在では、ギフテッドの可能性があるにもかかわらず、アスペルガー症候群や発達障害などの精神障害を患っていると診察されてしまう子どもも多くいる可能性があるのです。
ギフテッドの顔立ちには、はっきりとした定義はありません。
全員に当てはまるわけではありませんが、ギフテッドの子どもは、
- 中性的ですっきりとした顔立ち
- 肌がきれい
- 美男美女が多いと言われている
など、性別にとらわれない見た目が多いという見解があると言われています。
ギフテッドは日本国内でも2%ほどしかいないと言われています。
もし我が子がギフテッドである場合、親はどうすれば良いのでしょうか?
ギフテッドは才能に特化している一方で、集団生活や対人コミュニケーションを得意としません。
周りと話が合わないなどでいじめのターゲットにされることもあり、不登校になってしまうケースも多いと聞きます。
日本の教育ではギフテッドの支援がほぼありませんので、そのままはじき出されて途方に暮れてしまうこともあるのです。
これから子どもを授かりたいのであれば、今のうちに触れておきたいギフテッド関連の作品5選がこちらです。
- 映画「ギフテッド」
- 「わが子が「ギフティッド」かもしれないと思ったら:問題解決のための実践ガイド」ジェームス・T・ウェブ他
- 「ギフテッド その誤診と重複診断:心理・医療・教育の現場から」ジェームス・T・ウェブ他
- 「「ギフテッド」天才の育て方」杉山登志郎他
- 「ギフテッド育児奮闘記」ギフテッド応援隊
現在日本では、文部科学省がギフテッドの教育方針について調査すると発表しており、国内のギフテッド教育は少しずつ変わり始めています。
また、ギフテッドの保護者たちが勉強会や情報交換を行う一般社団法人「ギフテッド応援隊」という組織があります。
ギフテッド応援隊の著書「ギフテッド育児奮闘記」では、幼少期から目覚ましい能力を発揮していても学校生活に馴染めず不登校になった子ども、ストレスから体を壊してしまう子どもなど辛い現状についてリアルな体験談が載せられています。
現在彼らはフリースクールに通ったり、ギフテッド教育に力を入れているカナダへ留学したりとそれぞれの道を歩んでいると書いてありました。
現在でも手探りで、子どもたちの教育に情熱を注ぐ方が多くいるということですね。
1993年より昔は、「ギフテッド」という言葉すらも存在しませんでした。
現在は天才児という前向きな言葉として受け入れられつつあります。
教育や医療の専門家たちによる多くの著書発表や法人立ち上げなど、ギフテッドの親たちが悩む現状を変えようと動いている方々もいるのです。
これから時間はかかるでしょうが、ギフテッドの扱いは変わっていくでしょう。
もしこれから子どもを授かったときに我が子が何かに何時間も集中していたら?
子ども向けでないような難しい問題に取り組み始めたら?
もしかするとその子は、ギフテッドなのかもしれません。
我が子が社会に馴染めなくても、興味のない分野の成績が悪くても、常に我が子を守り才能を伸ばす手助けが出来るのは親だけです。
ギフテッドを育てるための環境があること、ギフテッドの認知を高める動きがあること。
それを理解しているだけで、我が子の可能性はもっと広がるかもしれませんね。
提供・Rolmy
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