昨日(1月29日、日曜日)、ノンフィクション作家の佐野眞一の偲ぶ会が、神田神保町の出版会館で行われた。

 その日は、佐野が生きていれば76歳の誕生日だった。ノンフィクション・ライターや編集者が100人ぐらい集った。

 吉岡忍、野村進、高山文彦、森達也、青木理、田中優子、宮部みゆき、白石一文などが発起人になり、献花し、献杯した。

 偲ぶ会だから、佐野の「週刊朝日ハシシタ事件」のことについて触れることはなかった。

 私は、事件が起きた直後、佐野に会ってノンフィクションについての本を出すことを勧めた。

 このまま、あんたのようなノンフィクションの第一人者が、こんなことで潰れてはいけない。そう彼にいった。

 早く出すために口述で、イーストプレスから『ノンフィクションは死なない』を出した。

 出版された日の夜、彼と奥さんと飲んだ。佐野は嬉しそうだった。

 盗作問題なども出たが、彼の多くの作品の内容を大きく毀損するものではない。脚を弱くして歩けなくなっていた。動ければ、もう2、3作書けたのではないか。

 しばらく会っていなかった吉岡や青木、野村、森たちと話をした。楽しかった。

 一水会の鈴木邦男も亡くなってしまった。私は右翼というのは嫌いだが、鈴木と『月刊日本』の南丘喜八郎は好きだ。

 北上次郎は知らないが、親しかった弁護士の木村晋介とは幼馴染である。椎名誠とも一時期付き合った。みんな逝ってしまう。寂しい。