現在、リクルートなどの人材大手もニセコには注目している。2022年には同町商工会と連携して、人材採用&移住定住推進プロジェクトを始動することになった。ニセコ町の広報資料によれば、「コロナ収束を見据えてリゾート施設を中心に求人が急拡大。令和3年度の求人倍率は、全国平均1.05倍に対して、ニセコ町が含まれる岩内管内は1.10倍で、札幌(0.98倍)よりも多い倍率」だったそうだ。そもそも、ニセコ地域は道内でも有効求人倍率が高く、過去には冬季サービス業の有効求人倍率が4.56倍にまで跳ね上がったり、なかには時給3000円の求人情報も散見されたという。
最近では、地域おこし協力隊で地方以上したものの、失敗してしまったというケースも聞かれる。北海道の場合、業種によっては夏と冬でビジネスモデルの違いを余技なくされるため、起業する際にはアイデアが必要となるだろう。地の利や気候の違い、シーズンを通した人流を理解するためにも、地域おこし協力隊などの社会インフラを活用することはとても有用だ。
移住やリゾート起業で生活の質が一気に向上した――そんな実例がでてくることを期待したい。