香水は一瓶で長く使えるものが多い分、使用期限や消費期限がいつなのか気になる化粧品です。余らせてしまわないように、開封済み・未開封それぞれの香水の使用期限について解説します。さらに、香水を長持ちさせる保存方法や古い香水の再利用方法も紹介するので、大好きな香水を余らせることなく最後まで愛用しましょう。
開封済みの香水の使用期限・消費期限は?
開封済み香水の使用期限・消費期限は約1年
開封済みの香水の使用期限・消費期限は開封から約1年です。開封済みの香水は日光や空気に晒されたり、皮脂や雑菌が入り込む機会が増えることで少しずつ劣化が進んでいきます。
そのため、購入した時の品質と同程度で使用できるのは開封から1年くらいが限界とされているのです。香水は長持ちしやすく、色々な香りを使い分けていると何年も使い終わらないというケースも多いものです。しかし、香水そのものの新鮮な香りを楽しむためにも、1年を目安に使い切れるものを選びましょう。
1年以上経っていても使える場合もある
開封済みの香水は1年が使用期限の目安ですが、食品の消費期限のようにその日が過ぎると必ず使えなくなるわけではありません。まず、香水が劣化する原因はアルコール分が蒸発する「揮発」と香水内の油分が酸素や光、雑菌などで変化する「酸化」の2つです。
つまりこの現象の発生具合が少なければ例え開封から1年以上経った香水でも使用することは可能なのです。1年以上経った開封済みの香水でも香りに変化がなく、変色など見た目の異常が無い場合にはそのまま使用できるのでまずは自分の目と鼻でチェックしてみましょう。
未開封の香水の使用期限・消費期限は?
未開封の香水の使用期限・消費期限は約3年
未開封状態で保管されている香水の使用期限・消費期限は一般的に3年とされています。消費期限や製造年記載している香水は少ないので、「未開封状態で3年」を一つの目安にしておきましょう。
もちろんブランドやメーカーによって使用している成分が異なるため、一概に3年間は絶対に大丈夫とは言い切れません。特にオークションサイトやフリマアプリで購入する場合、購入前にすでに保管時間が経っている場合もあるので品質をよく確認し、肌が敏感な方はパッチテストを行なってから使用しましょう。
消費期限は薬事法が指標となっている
未開封の香水に対する3年という使用期限の目安は、日本の薬事法が参考となっています。薬事法では化粧品は「未開封で3年以上の使用期限があること」とされているので化粧品に分類される香水も最低限の3年という使用期限が適用されるのです。
そのため、保存状態が良ければ3年以上持つ未開封の香水ももちろん存在します。3年経ったからと言って必ず捨ててしまうのではなく、中身の劣化状態や匂いの変化をよくチェックして判断しましょう。
期限が心配な時はパッチテストをしよう!
肌が敏感な人は古い香水の成分で肌荒れやかぶれを起こしてしまう可能性があります。未開封の古い香水を使用する場合は、香りや見た目に劣化がなくてもパッチテストをしてから使用しましょう。もちろん、新しい香水や開封済みの古い香水をつける時にもパッチテストはした方が安心です。
香水パッチテストの方法
上腕の内側を石けんで洗い汚れを落とす
1cm程度の丸型に香水を塗る
30分後に塗布部に赤み・痒みがないか確認する
1〜2日塗ったままにして肌に異常が出ないか確認する
以上がパッチテストの方法です。参考にしてみてください。なお、テスト中に肌に異常を感じた時にはすぐに洗い流して医師の診断を受けましょう。
開封済みの香水の使用期限・消費期限を延ばす方法は?
①高温多湿を避けて保存する
開封済みの香水の使用期限・消費期限を延ばす1つ目の方法は高温多湿を避けて保存する方法です。温度の変化により物質の分子がかき混ぜられると科学反応が起きやすくなり、香水の劣化が早まってしまうのです。香水の保存場所は温度が一定で高温になりにくい場所を選びましょう。
また、湿度が高い環境に香水を置いておくと結露や雑菌の増殖でカビや腐敗を起こす可能性があります。香水はアルコール成分や殺菌効果が高い成分を含んでいる為、一般的に腐敗の可能性は少ないとされていますが、より長く使用するためにはなるべく湿度の低い場所に保管しましょう。
②直射日光に当てない
開封済み香水の使用期限・消費期限を延ばす2つ目の方法は直射日光に当てないように保存する方法です。太陽の光には大量の紫外線が含まれている香水が長時間日光にさらされていると中の成分が変質して劣化してしまう恐れがあるのです。
香水瓶は可愛いデザインが多く、つい窓辺に飾りたくなってしまう人も多いかもしれませんが、香水瓶は日光に当たらない室内の暗い場所に保存するようにしましょう。また、購入した際に入っていた箱の中に入れておくとさらに光の影響を受けづらくなります。
POINT
肌に付けた後も日光は避けよう
オーデコロンなどの香料成分が強い香水の場合、肌に付けた後でも長い時間太陽の光を浴びていると肌荒れやかぶれを引き起こす要因となります。香水はなるべく日光に当たらない部分につけるようにしましょう。
③使用後はフタをしっかり閉める
開封済みの香水の使用期限・消費期限を伸ばす3つ目の方法は使用後にフタをしっかり閉めることです。香水を使った後、フタを開けたままにしてしたり中途半端に閉めた状態にしらりするとアルコールの揮発が進み劣化が早まる原因となります。
また、空気中には油の酸化を促進させる酸素が豊富に含まれています。フタを開けたままにしておくと香水内部に酸素が侵入しやすく酸化しやすい環境を作ってしまうのです。香水を使用した後は清潔なコットンやガーゼで口の香水を拭き取りフタを閉めて保管しましょう。
④瓶の口に直接肌をつけない
開封済みの香水の使用期限・消費期限を延ばす4つ目の方法は瓶の口に直接肌をつけないことです。人の皮膚はどんなに清潔にしていても外から付着した雑菌や常在菌が大量に活動しています。香水瓶に直接肌をつけて香水を使っていると、雑菌や細菌が瓶の中に侵入するタイミングを増やしてしまうのです。
こういった菌類が香水瓶の中で増殖すると、劣化や酸化を促進するだけでは無く肌に付けた時に悪影響を起こす場合もあります。香水を直接瓶からつける時はコットンや清潔なスパチュラを使用してなるべく外の雑菌が内部に入らないように心がけましょう。
⑤アトマイザーなどで小分けにして使う
開封済みの香水の使用期限・消費期限を延ばす5つ目の方法はアトマイザーに小分けにして使用することです。使うたびに大きな香水ボトルを開けたり閉めたりすると、その分中に酸素や雑菌が侵入する機会が増えるということになります。
また、フタが開く回数が多いとその分アルコールの揮発も多くなり、香水が劣化する速度も速まるでしょう。特に複数の香水を使い分ける場合、小さなアトマイザーにそれぞれ小分けにして使えば本体の品質を保ったまま沢山の香りを楽しめます。
アトマイザーの中にも、おしゃれで可愛く、かつ機能的なデザインが沢山あります。好みのアトマイザーを使い分ける、というおしゃれも香水の楽しさの一つにしてはいかがでしょうか。
⑥黒い袋に入れて冷蔵庫で保存する
開封済みの香水の使用期限・消費期限を延ばす6つ目の方法は黒い袋に入れて冷蔵庫で保存するという方法です。黒い袋は光を遮断しやすいため日光や室内の明かりが香水に干渉しづらくなります。また、冷蔵庫は常に冷たい室温で一定に保たれている為、温度による品質変化も最小限に防げるでしょう。
ご自宅にワインクーラーがある、という方は湿度も一定に保てるのでさらにおすすめです。食べるもの、飲むものと一緒に置いておくのは気が引けるという場合には、黒い袋の上からジップロックなどでさらにカバーしておきましょう。大切な香水を長期保存したいときにはぜひ試してみてください。