拘縮や褥瘡…寝たきりの患者さんの身に起きること

介護士が見た、自殺に失敗した人の“その後”。「寝たきりは、想像する姿と違う」<yuzuka×よしむら香月 前編>/2021人気記事BEST5
(画像=『女子SPA!』より引用)

netakiri ※イメージです

yuzuka:拘縮や褥瘡も大きな問題ですよね。看護師をしていたので見たことがあるのですが、寝たきりの期間が長くなっていくと、筋肉や骨は硬くなりながら縮んでいき、身体はどんどんまるまって、動かなくなっていくんですよね。

 だんごむしのような姿勢を想像すれば分かりやすいかもしれない。それを拘縮と呼ぶのですが、例えば折りまがったまま固まってしまった腕は、伸ばそうとしても、まったく伸びてくれないほどになってしまう。無理に負荷をかけると、簡単に骨が折れてしまうくらいです。

よしむら:オムツ介助のときに股関節を開いて洗浄するのにも苦労するほど、筋肉や骨が縮んで固まってしまっている方も多いです。顔も、口を開けたまま痩せこけてしまって……。よく床頭台に、 元気だった頃の写真が飾られてあったりするんですが、ふとそれを見たとき、面影がなくて驚くと同時に、切なくなることがあります。

yuzuka:多くの寝たきり患者さんが悩むことになる褥瘡(床ずれ)も、一旦ひどくなると、仙骨とよばれるおしりの骨の部分周辺に、拳が一つ入るほどの穴が開いてしまうこともありますよね。皮膚の中身がさらけ出された状態で膿が溜まっていますから、においは激しいし、穴の中までえぐって洗浄する必要があるので、きっと痛いんじゃないかなって思います。意識がある患者さんだと、いつも叫んでいたし……。