中でも、ここではYoyouの「tutumu」を挙げたい。

 昨今、玉名ラーメンなどによって描写されてきた、靄がかかったようなアブストラクトなビートが印象的な本曲は(プロデュースはRY0N4)、「包むフリーなゾーン/ここはちょうどいい気温/優しいけど悲しい/潤む蜃気楼」「はじまりの瞬間/からもう既に/おわりを見据えてる」というリリックがまさに当コミュニティの空気感を見事に言語化しており、心を動かされた。

 虚無感こそがコンフォートゾーンであるという、ネガティブの中にあるポジティブ性を捉えたリリックとラップ/歌唱はまさに、2022年のシーンを象徴しているように思う。