週刊朝日が休刊する。
スポニチ(1月20日付)は、「日本最古の総合週刊誌」と見出しを付けた。まるで化石のようだが、内容も、失礼ながら、この欄で取り上げるようなスクープはなく、毎号、前頁を貫いているのは“やる気のなさ”であったから、部数低迷(昨年7~9月の平均印刷部数は約7万4000部)も致し方なかったと思う。
私が毎号読んでいるのは嵐山光三郎の『コンセント抜いたか』(不思議なタイトルであるが)だが、このままいけば週刊新潮の人気連載だった山口瞳の『男性自身』を連載回数で抜けるのではないかと思っていたが、残念だ。
嵐山の連載は週刊現代にあったものを持ってきたものだった。武田砂鉄の連載もたしかサンデー毎日から持ってきたと記憶しているが、どこかでやらないかな。
かつては産経新聞の週刊サンケイ、読売新聞の週刊読売もあったが次々に消え、週朝より売れていないサンデー毎日も休刊準備に入っているように思う。
昔、読売新聞のトップから、どうしたら週刊読売の部数を伸ばせるかと聞かれたことがあった。
私は、「なんであんなに面白くない週刊誌が出せるのか不思議だ。私を編集長にすれば、すぐに50万部の週刊誌にしますよ」と答えた。
同じことが今の週朝にいえる。
後にも、やはり読売の幹部から、読売ウイークリー(週読の後継雑誌)を生き残らせる方法を聞かれた。
私は、「ページを減らして、毎週土曜日、読売新聞の付録にウイークリーをつけたらどうか。読者も喜ぶし、あっという間に1000万部の週刊誌ができる」と答えた。
週朝は一考したらどうか。
現在、週刊誌といえるのは文春と新潮だけで、現代が始めた月3回刊は、ポストをはじめフライデーなど、ほとんどの雑誌がやっている。
経費削減のためとはいえ、あまりにも姑息なやり方で、読者を戸惑わせている。
講談社、小学館という大手出版社が、週刊誌をやり続ける人材も資力なくなっているのである。週刊誌の衰退は、出版社ジャーナリズムの衰退である。
朝日新聞は、週朝を休刊にしてAERAを残すという。部数も影響力もないAERAを選択するという方針に、異論が出ているようだが、その理由は、そもそもの生い立ちにある。
私が知る限り、広岡知男社長の時、小説も女性のグラビアもないニュース専門の雑誌を出そうという話が持ち上がった。それがAERAで、この雑誌は社長室直轄の雑誌になったのだ。
そういう成り立ちから、AERAを残そうと決めたのではないだろうか。だが、大学入試情報も扱わない雑誌では、生き延びるのは難しいのではないか。
朝日新聞は、社の業績は堅調などといっているが、不動産収入が新聞の売れ行き不振を補っているだけである。
週朝の休刊が、朝日新聞の休刊の始まりにならないか。