「そんな体たらくだったクラプトンを変わらず支持し続けたのが日本のファンでした。過去に“彼らはクラプトンを甘やかしている”という、音楽評論家からの苦言もはあったものです。そんな日本のファンに気をよくしてか、クラプトンは数年に1度のペースで来日しており、2016年からは国内移動の負担を減らすために、武道館でのみ公演を行ってきました。100回公演はこうした積み重ねによるものです」(同)

 ロック史に残る名曲や名演を世に送り出してきた一方で、長きにわたって薬物やアルコールの依存症に悩まされるなど、波乱万丈のキャリアを過ごしてきたクラプトンだが、黒歴史と言えるのが過去に行ったとされる“人種差別発言”である。

 76年8月、英バーミンガムで行われたライブで、例によって酔っ払ったクラプトンは観客に向かって「イギリスが移民流入によって、10年以内に植民地化してしまう」などと発言。さらに「ウォグ(非白人系に対する蔑称)は大英帝国から出ていけ、田舎者は出ていけ」と続けたという。クラプトンはブルースやレゲエといった黒人音楽をいち早く採り入れるなど、彼の背景がブラックカルチャーと高い親和性を持つと思われていただけに、この件が報じられるとそのレイシズム発言が人々を大いに戸惑わせた。

「後年、クラプトンは当時の暴言を人種差別的だったと認めて謝罪するも、あくまでも大量飲酒のせいで差別の意図はなかったと釈明。しかし当時、差別主義者として悪名高かった超保守派の極右政治家への支持を表明していたことについては、現在も否定していません」(同)